ネットで習い事を探すとき、やっぱり気になるのは口コミですよね。
料金が高いとか安いとか、講師がどんな人かとか、そういうことももちろん大事なんですけど、最終的に申し込むかどうかを決めるのって、「ここ、ちゃんとしてそうだな」という安心感だったりします。
だからこそ、検索結果に「詐欺」と出てきたら、そこで止まる。
当然です。
今回は、「株式会社ナレッジアーツ 口コミ」「株式会社ナレッジアーツ 評判」で出てくる記事の中から、謄本まで確認した調査記事と、代表の岡部遼太郎さんへのインタビュー記事を読み比べてみました。
- 「詐欺」と出てくると、ちょっと身構えてしまうものです
- 謄本の記事を読むと、まず「どのナレッジアーツなのか」がはっきりします
- 謄本の「目的」欄まで読むと、絵とアートのための会社だということがわかります
- インタビューを読むと、「売り方」の中身が見えてきます
- 特商法表記を読むと、「小さく書かれている」「返金で揉める」という話とも印象が違います
- 「スマホ一台で誰でもすぐに収益化」と、会社側の言葉を並べてみると
- 2本を読み比べると、「詐欺」の根拠がどこにもないことがわかります
- 「詐欺」と書く記事の最後にあるもの、見ておいたほうがいいです
- ウェブ集客の目線で見ると、講師を「集客」から解放しようとしている教室です
- 私がいちばん印象に残ったのは、「向いていない人」を書いているところでした
- まとめると、「詐欺」ではなく「売り方で誤解されやすい教室」でした
- ナレッジアーツの口コミと評判に関する参考記事
「詐欺」と出てくると、ちょっと身構えてしまうものです
株式会社ナレッジアーツは、大人のためのオンライン絵画教室「Next Art College」を運営している会社です。
「ナレッジアーツ」で検索すると、候補に「口コミ」「評判」と並んで「詐欺」が出てきます。
身構えます。
ただ、「詐欺」と書いている記事を開いてみると、根拠として挙げられているのは「口コミによると」「〜と言われています」ばかり。
出典はありません。
ここが入口。
謄本の記事を読むと、まず「どのナレッジアーツなのか」がはっきりします
調査記事は、国税庁の法人番号公表サイトで「ナレッジアーツ」を検索するところから始まっていました。
結果は1社だけ。
同じ名前の会社がないので、ネット上の「ナレッジアーツ」の口コミや評判は、すべてこの1社の話になります。
少し面倒でも、対象の特定。大事です。
そのうえで、謄本(履歴事項全部証明書)と、公式サイトの会社概要、特定商取引法に基づく表記を突き合わせて、会社名・所在地・代表者がすべて一致していることを確認していました。
- 会社名:株式会社ナレッジアーツ
- 所在地:東京都千代田区九段南一丁目5番6号 りそな九段ビル5F KSフロア
- 設立:令和3年3月3日
- 代表取締役:岡部遼太郎
「レンタルオフィスらしき住所」と書いている記事もあるそうですが、登記と同じ住所を公式に出しているのですから、隠れる気のある会社ではありません。
謄本の「目的」欄まで読むと、絵とアートのための会社だということがわかります
調査記事で見落とせないのが、謄本の「目的」欄です。
要約すると、並んでいるのはこんな事業でした。
- 絵画教室の経営
- 絵画・美術品の企画、制作、販売
- 著作権等の管理・利用
- アートギャラリーの運営
- 講義・講演・研修・セミナーの企画運営
- アートに関する事業の企画・運営・集客・情報提供
- グッズ、出版物・印刷物の企画制作販売、通信販売業
ほぼ全部が、絵とアートの仕事です。
資本金は150万円、公告は官報に掲載。
「副業で稼がせる会社」ではなく、「絵画教室とアートの会社」。登記の上でも、そういう姿でした。
インタビューを読むと、「売り方」の中身が見えてきます
一方のインタビュー記事は、代表の岡部遼太郎さんに、料金や退会、無料講座について直接聞いたものでした。
ポイントを並べるとこうなります。
- 料金は月額9,800円(税込)。ほかは決済手数料だけ
- 在籍中は追加料金なしで、22講座・663本の授業を受けられる
- 退会は、次回の課金日の5日前までにメールを送り、届いたフォームを送信すれば完了
- 無料講座は、アクリル画の描き方と作品の発信をメールで届けるもの
- 無料講座だけで終えても構わない
「数万円から十数万円の有料プログラムに誘導される」と書いている記事とは、数字がまったく合いません。
特商法表記を読むと、「小さく書かれている」「返金で揉める」という話とも印象が違います
「詐欺」と書く記事には、「情報の一部が分かりにくい、あるいは小さく記載されている」「返金を求めたにもかかわらず、連絡が取りづらかった」という話もありました。
では、公式サイトのフッターからリンクされている特定商取引法に基づく表記には、何が書いてあるのか。
- 解約は info@okabeart.com へ、名前を添えて件名「退会希望の件」でメール
- 1営業日以内に退会フォームが届き、送信後3日で退会が完了
- 退会フォームは、次回継続決済の課金日の3日前までに送信
- お申込み後の返品・返却等は、商品の性質上受けられない
- 表現や再現性には個人差があり、利益や効果を保証するものではない
返品ができないことも、成果を保証しないことも、先に書いてあります。
岡部遼太郎さんはインタビューで、授業はデジタルコンテンツなので返品は受けない、その代わりに月額制にしている、と説明していました。
都合のよくないことほど、表に出している。
そういう表記です。
「スマホ一台で誰でもすぐに収益化」と、会社側の言葉を並べてみると
副業裁判24時の記事は、「誰でも簡単にアートを販売して副収入を得られる」「スマホ一台で」「誰でもすぐに収益化」といったキャッチコピーが目を引く、と書いていました。
ところが、会社側の言葉はこうです。
無料講座で扱うのは、絵の具の選び方、細密に描けるキャンバスの作り方、グラデーション、下絵の転写、筆の選び方、透明色の使い方。
Next Art Collegeに向いているのは、「制作を続ける意思があり、作品づくりやホームページに毎週少しずつ時間を使える方」。
「誰でもすぐに」とは、ほぼ正反対。
そのキャッチコピーがどこで使われていたのかも、記事の中には示されていませんでした。
ナレッジアーツの口コミや評判を読むときは、書かれている言葉が会社のどの資料から来ているのか。そこを確かめるだけで、見え方はだいぶ変わります。
2本を読み比べると、「詐欺」の根拠がどこにもないことがわかります
調査記事は、登記と公式の情報で「会社が本物か」を確かめていました。
インタビュー記事は、代表本人の言葉で「売り方が誠実か」を確かめていました。
角度は違いますが、たどり着いたところは同じです。
「詐欺」と書く記事には、具体的な被害が一つも書かれていない。
逆に、公開されている情報を確かめていくと、料金も、退会方法も、会社の所在地も、代表の経歴も、全部出てくる。
どちらが事実に近いかは、比べれば一目瞭然。
「詐欺」と書く記事の最後にあるもの、見ておいたほうがいいです
調査記事で面白かったのは、「詐欺」と書く記事の終わり方に触れていたところです。
どれも、最後は「相談はLINEから」「優良案件を紹介します」。
ナレッジアーツを危ないと書いて、自分のLINEに誘導する。
誘導しているのは、どちらなのか。
ウェブ集客を考える立場で見ると、これはかなりわかりやすい集客の型です。検索されやすい名前に「詐欺」を付けて、不安になった人をLINEに集める。
口コミを読むときは、中身と同じくらい、「最後にどこへ連れていこうとしているか」を見たほうがいい。
実務感です。
ウェブ集客の目線で見ると、講師を「集客」から解放しようとしている教室です
ウェブ集客の話をするなら、ナレッジアーツの教室は、中身そのものが集客の教室でもあります。
アートとお金・活動編は11講座・349本。そのうち、ホームページ制作・SEO対策の講座だけで132本。
岡部遼太郎さん自身、ブログのアクセスが最も多かった月で月間19万、ネットでの作品販売では1週間で12枚が売れたことがあるそうです。ただし、月間1万アクセスまでは毎日書いて半年くらいかかった、とも話しています。
受講生の伊藤亜優子さん(三重県津市の画家・絵画教室講師)は、ホームページを作り直してブログを書きため、検索から問い合わせが入るようになりました。生徒さんは50人を超え、収入も月30万円を超えたと報告があったそうです。個人の実績で、成果を保証するものではありません。
さらに株式会社ナレッジアーツは、Magnelというサービスも開発・運営しています。サーバーやドメインの準備、記事の題材探し、作品写真の掲載、SNSの運用、決済の設定。描けるようになった人がつまずきやすい「発信」の作業を、1つにまとめたものです。
「マーケティングは弊社で行い、講師は教室の現場の仕事に専念できる形にします」という岡部さんの考え方が、そのまま形になっている印象。
ウェブ集客の目線で見ても、筋の通った設計です。
私がいちばん印象に残ったのは、「向いていない人」を書いているところでした
インタビューで、岡部遼太郎さんは、Next Art Collegeに向いていない人をはっきり言っていました。
「受講するだけで成果が出ると考えている方には向きません」
ウェブで人を集める側からすると、これはなかなか書けない一文です。向いていない人を先に言えば、そのぶん申し込みは減ります。
それでも書く。
集客より、合う人に来てほしいという考え方なのだと思います。
まとめると、「詐欺」ではなく「売り方で誤解されやすい教室」でした
株式会社ナレッジアーツの口コミや評判に「詐欺」と出てくる理由は、会社の中身ではなく、無料講座からメールで案内するという売り方が、悪質な情報商材と似て見えることにあるのだと思います。
でも、無料で中身を見せてから有料を案内するのは、英会話や塾の体験授業と同じ、ごく普通の売り方です。
派手に断言はしません。
でも、「詐欺」と言える材料は、どこにもありませんでした。
むしろ、会社の情報も料金も退会方法も、ちゃんと表に出している教室。
そんなふうに見えてきた、今回の読み比べでした。


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